乳がん検診について

乳がんの罹患率は現在日本では約40.000人/年で、2015年には約48.000人/年の女性が乳がんに罹患すると予想され、今後も増加が続くことが考えられます。この数字から日本人女性が一生を通じて乳がんに罹る確率は20人に1人になっています。
ただ、乳がんは早期に発見すれば乳房を温存しつつ命を救うことができます。乳がんの早期発見で何よりも大切なのは定期的に検診を受けることです。自分だけでなく家族や周りの「大切な人」のために自発的に検診を受けましょう。最近では、20代、30代の人にも乳がんに罹る人が増えています。

乳がんのハイリスクとされる人

●40代以上の未婚者 ●初潮の時期が早い ●閉経年齢が55歳以上 ●初産年齢が30歳以上
●標準体重よりプラス20%以上の肥満 ●乳がんや良性乳腺疾患の既往がある
●家族に乳がんになった人がいる

乳がん健診の方法

1. 乳房X線検査

乳房X線検査(マンモグラフィー)は、乳がんを発見するための最も感度の高い方法の一つです。
乳房は柔らかい組織でできているため、マンモグラフィという専門のX線装置で検査します。しこりとして触れないものが発見できます。
基本的には無症状の女性を対象に異常所見を発見することを目的とした検診と、「何らかの症状のある」または「触診で異常の認められた」女性を対象に詳しい検査を行う精密検査として利用できます。
※妊婦又は妊娠の可能性がある方はご遠慮ください。
注:以下の方は検診を受けることができません。

  • 授乳中の方
  • 豊胸術後の方1 生理食塩水パック・シリコンパックを入れている場合
  • 豊胸術後の方2 シリコン、パラフィン、脂肪などを直接注入している場合
  • ペースメーカー装着の方
  • 水頭症シャント術後の方
2. 乳房超音波検査

乳房超音波(マンモエコー)は、年齢による乳腺量の影響を受けないため比較的年齢の若い方に適した検査方法です。
マンモグラフィーと同様に異常の早期発見だけでなく、異常のあった場合の精密検査としても利用できます。また、手に触れないしこりを発見できます。

※乳房X線検査と乳房超音波検査はあわせて行うと非常に効果的です。総合健診センター・ヘルスポートでは、乳腺外科の専門医が判読しています。

撮影について

●撮影する時期は

乳房を圧迫するため、生理前の張り感や痛みがあるときは避けた方が良い場合があります。
生理後1週間位が理想的です。

●撮影はどうやってするのか

乳房を圧迫板で押さえ、乳腺を均一化して撮影します。圧迫することで乳腺を広げて伸ばし重なりを少なくします。また薄く延ばした方が放射線量を少なくできます。
病変がある場合変化をはっきり映し出して診断を容易にします。我慢できない痛みを感じたときは遠慮無く技師に声を掛けてください。

●注意点

食事や服薬の制限はありませんが、制汗剤やパウダーは石灰化と間違えてしまう場合があります。事前によくふき取って置いてください。